FREEDOM-PROJECT.JP

――『FREEDOM SEVEN』は特別編ということで、尺も大幅に伸びた話数になりましたね。

森田 はい。1〜6巻はそれぞれ21分なんですが、今回はほぼ倍です。
最終巻は1本でまとまった話数にしたかったんですけど、通常の21分尺では収まりきれず、結果的に48分になりました。脚本/絵コンテの段階ではもう少し短かったんですけどね(笑)。

――『FREEDOM SEVEN』の見どころは?

森田  見どころはハイスピードな展開とドラマ、そしてアクションが入り乱れている部分ですね。
僕が動きのある映像が好きだってのもあるのかもしれないけど、そこにキャラクターたちを見せるドラマがきっちり絡んでくる。自分で作り終わってから見直しても「面白い!」と思いました。シリーズ通して積み重ねた部分をすべて最後でぶちまけられたかな?と思ってます。

――通常尺の倍を作るにあたって、制作面はいかがでしたか?

森田 いままでは、だいたい1話につき3ヶ月で作ってたんです。
最初の1ヶ月はいろいろと下準備をしてて、それを終えてから3Dのモデリングデータを作ったりしてると実質の制作が走り出すのは2ヶ月目くらいなんですよ。そこから残りの1ヶ月で仕上げるって感じだったんですけど、『FREEDOM SEVEN』に関しては制作期間は4ヶ月半で。最初の下準備1ヶ月で、2ヶ月目で通常尺の24分ぐらいを作ったらもう残り時間が1ヶ月半しかなくて結構焦りましたね(笑)。
ただそこが3DCGを使ってるいいところなんですけど、3DCGはアニメーターさんが人力、つまり手で描いてるわけじゃなくて、あらかじめ作ってあるモデリングデータを使ってるんで、例えば場面が多くなったり、ちょっと尺が伸びようがレンダリングと撮影が厳しくなるぐらいで、そんなに苦労は変わらないんですよ。

森田修平(もりた・しゅうへい)
1978年、奈良県生まれ。京都造形芸術大学在学中より映像制作をはじめ、1999年に3DCG映像制作会社「神風動画」の立ち上げに参加。神風動画と平行し、スタジオ4℃でもCGIスタッフとして活動。2003年より独立し、「YAMATOWORKS」を立ち上げ、『カクレンボ』を制作。東京国際アニメフェア2005公募作品一般部門優秀作品賞、カナダのファンタジア映画祭ショート映画部門金賞、文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品賞などを受賞する。その後、『FREEDOM』に監督として参加。デジタルアニメの新旗手として注目されるひとり。








――そこは3DCGのメリットが活かせた?

森田 そうですね。もちろんスタッフは大変だったかもしれないけれど、でもそれは『FREEDOM SEVEN』だから特別ということもないわけで。苦労は変わらずなんですよ。逆にいままでシリーズをやってきたことでの技術的な積み重ねもあったし、特別困ったことはなかったですね。あるとすればむしろストーリーのところかな? 最初の絵コンテで上げたものを演出さんと話をして、再度、脚本から修正したりしましたから。『FREEDOM SEVEN』がその手の修正を一番やったかもしれない。そこは結構四苦八苦しました。

――具体的にはどういった修正だったんですか?

森田 ようは『FREEDOM SEVEN』でこの作品を終わらさなきゃいけない、ってことなんですよね。つまり、これで『FREEDOM』をきっちり完結させたかったんですよ。見終えたあとに「まだ次があるんじゃないの?」という印象を抱かせてしまうような、なんとなくな終わり方じゃなくて、きっちりと終わらす。その一点ですね、試行錯誤したのは。ようするに主人公のタケルにちゃんとケリをつけさせたかったんです。

――それはタケルというひたすら前向きな少年の選んできたことの結末をきっちりお客さんに見せたかった?

森田 ええ。タケルって行動することが好きなキャラクターであって欲しかったんですよ。例えば「地球に行きたい」と思うこともそうなんだけど、それはぼくらが「宇宙に行きたい」と思うことと同じで、「行きたい」と思うこと、それ自体が好きであって欲しいんですよ。
その結果として宇宙なりに行けなかったとしても「行きたい」と思った時点で可能性がいっぱい広がる。なのに、そこで「行きたくない」「嫌い」「したくない」って思考をしちゃうとなにも生まれない。
好きこそものの上手なれじゃないですけど、なんでもかんでも好きになる人間を描きたかったんですね。とはいえ、それだけじゃダメで。多くの人たちを巻き込んで地球へ行ったこと、そしてEDENに再びやってきたこと、そうしてまわりの人を巻き込んできたことのケリをタケル自身につけさせたかったっていうのかな? きっちりとタケルに自分の言葉でしゃべらせて終わりたいと思ったんです。

――それゆえにCM版とは異なり、タケルが大きな決断をする結末に?

森田 そうですね。それまでは、タケルの選択にまわりのみんながついてくるというパターンだったけれど、今回はそうではない。
打ち合わせでそのアイデアが出てきたときに、それによってタケルの成長――つまり大人になった部分を描けるんじゃないかと思ったんです。
その選択によって結果的に、お話のテーマをもうひと段階、深いところに進められたんじゃないかなという気がしています。

――そこはCM版で見終えた気持ちになってる人たちにはきっちり見てほしい?

森田 見てほしい! すごく見てほしい部分ですね。「EDEN」に帰ってきたタケルが現実に打ちのめされながらも、そこから這い上がるその勢い。一度、気持ちが落ちたことによって、そこから上に行くその勢いが、作品のスピード感にもつながってると思うし、本編だけで語られるタケルの下す決断を見て欲しいですね。

――では最後にこのサイトを見ているファンに一言。

森田 『FREEDOM SEVEN』、アクションシーンも見どころ満載で、見ごたえのある最終話になってると思いますので、是非ご覧ください。そして面白かったらそれをいろんな人に伝えてもらえれば幸いです。

後編は5月30日(金)に掲載予定です。お楽しみに!